腕組み

腕組みしている人があんまり好きではない。

 

好きではない、というより、苦手。

 

自らに自信を持っているのは結構です。

ただ、他を威圧するような感じにひるんでしまう。

 

自己規範から逸脱する人に対する非寛容。

外交的で仲間に対しては明るく振る舞い、

男性的で豪快、闊達、活き活きとした頼りがいのあるカッコいい印象が見受けられる一方で、

ただ厳しいというだけというのとも異なる、

自己の正当性を疑わない、共感力の薄い感じすらもある。

 

 

また別の堂々とした腕組みは、

自分の主義主張を守るため、堂々とした態度が高じて攻撃的にすらなった感じ。

思慮深く、共感力も十分あるけれど、

周囲の声から自分と境遇や理念などを同じくする者らの声なき声を拾い上げ、

世に認知してもらうために、徹底的に抗戦する姿。

 

そうならざるを得ない世が見え隠れして、

何とはなしにげんなりしてしまう。

 

 

 

 

何か思索に耽ったり、思考を整理している時の腕組みは好き。

そこから片手を外して、顎に手をやってるのなんかも良い。

ついでに前後に頭を揺すったりしてるのも良い。

 

 

支配的な遺伝子による利害関係を忘れて、

自分の中のイメージに耳を傾け、

指からこぼれていくのを惜しむように丁寧に掬い上げ、

何とか残ったものが外に出ていく際にも、

なるべくなるべくそのままの姿でいられるような、

それでいて、自分以外の人にも分かってもらえるような、

ぴったりの形を与えようと模索している姿。

 

そうして横に並んで、

目を覗き込むことが無くとも、

相手の深いところに、また、自分の深いところに、

息の続く限り潜っていられたらと思う。