就活にて塾の勧誘を受けた話1
こんにちは。
小山内藤花です。
今年は売り手市場だとかいうけれど、就活は大変です。
本当に大変でした……!
就活が終わり、何はともあれ今はほっとしています。
それで、
大変なことはいろいろありましたけれど、
その中でもこれは特殊な体験だったな、と思うことがありました。
就活中に、塾の勧誘を受けたのです。
ある一人から声を掛けられ、始めはそうとは確信できずに連絡先を交換しました。
が、少ししてようやく相手がそういう活動をしているということが分かってからは、
執拗な勧誘に頭を悩ませました。
今となっては、
こういう人がいるんだなあ、と多少距離を置いて回想することができますが、
当時の自分にとって、その人と関わることはとても精神的に堪えました。
始めに断っておきたいこと
以下、その特殊な体験の一連の記録ですが、
始めに断っておきたいことがあります。
この記事においては、
特定の誰かや団体を非難するつもりはありませんし、
自分のような境遇に遭うことも、就活を進める中では起こりうることですが、それに対する注意喚起を目的としてもいません。
そしてまた、
数か月前に起こったことですので記憶があいまいになっていたりしてますし、
今の精神状態こそ比較的安定はしておりますものの、
この体験を思い起こすにあたって、今でもネガティブな印象がよみがえりますので、
事実とは多少異なった記述にならざるを得ないことをご了承いただきたく思います。
はじまり
この体験が始まるのは、自分が本格的に就活を始める前、12月くらいの大型合同企業説明会に参加したときのことでした。
参加人数こそ多かったのですが、
15時ごろから格段に減り、
16時くらいには空きブースが目立つようになってきました。
自分も、もう少し話を聞いていこうか、それとも帰ろうか、
と資料を眺めながら突っ立っていると、
突然、こんにちは、と声を掛けられました。
「今日どのくらい回られたんですか?」
黒か紺のジャケットにコート、スラックスという出で立ちで、
スーツケースを下げていた痩せ型の長身の男だったと思います。
自分は、その日回ったブースの数を答えると、相手は、
「結構回られましたね。僕は○○くらいしか回ってないんですよ。××も行こうかと思ってたんですが、ちょっとビビっちゃって……」
とかいった、自らを卑下するようなことを言いながら、
「かなり意識高いですね」
と、こちらを持ち上げても来ました。
自分は慌てて、それは違う、といったようなことを言ったかと思います。
その当時の自分は精神的にふさぎこんでいて、
これから始まる就活に対しても希望が持てない、もっと言ってしまえば、将来全体に対して暗澹たる思いを抱いておりました。
1年休学をして以来、交友関係はプッツリと途絶え、家と学校を往復する日々。
自己肯定感が全くなく、社会不適合者だというレッテルを自ら張り付けて欝々としていたのです。
社会に出るのは嫌だけど、引きこもって親に迷惑をかけるのはもう……
やりたいことはないけれど、何かしら見つけないと大変だ……
そんな風に思いながら、とにもかくにも話だけでも聞きにいこう。
ぼんやりしててもいいから、会場に行こう。
と、それくらいの意気込みでその日は参加していたのです。
ですから、
相手から意識高いですね、と言われたときには絶対にそんなことはない!
と否定しました。
が、相手はそれでも笑いながら、いやいやそんなことないですよ、と言って褒めてきます。
その時自分は、こう思いました。
(何が目的だ……?)
しかし、一方で、こんな自分にもにこやかに話しかけてくれること、
それからまた、
社交辞令だとは分かっていても自分を肯定的に見てくれていることに、
どこか嬉しさがあったのだと思います。
怪しいなとは思いつつも、
冷淡にあしらったり、会話をすっぱり打ち切ってさっさと帰ったりする選択肢をとる勇気はありませんでした。
それから自分もアガりながら、相手を褒めたりして、
しばらくお世辞と社交辞令の応酬が続きました。
相手は就活を取り巻く状況や、経済に関することなどに触れながら話をするので、
それも就活に対して危機感を持ちにくい2年生がそんな話をするので、
(そっちの方が、意識高い系じゃん)
と思いながらも、
そんな人物と話をできていることに、自分でもいささか得意げな気分が入り込んで来ていたのかもしれません。
そしてまた、しゃべり方もうまいので、口下手な自分でもそこそこ会話を楽しむことができていたようです。
だからでしょうか、相手が、
「連絡先交換しませんか?」
と切り出してきたとき、警戒心が普段より落ちていて、最終的にはLINEのIDを交換することになったのです。
もちろんその申し出が出た瞬間、
(やっぱり来た……!)
と緊張感が跳ねあがったのですが、
お互い、有益な情報をやり取りすれば、就活を有利に進められる、
と言われました。
自分からは何も提供できるものがないから、と、
恐縮したように逃げを打ってもみたのですが、
うっとうしくなったらブロックしてもらって構わないから、
と頼むので、
しぶりながらも了承することになったのです。
しかし、
就活に対して、人生に対して弱気になっていた自分にとって、
その選択は苦難の始まりを意味していたのでした。
続きます……!
ここまで読んでくださってありがとうございました。